コロンの旅立ち

本日、いやもう昨日か・・・

2022年10月4日、愛猫コロンを見送ってまいりました。

あまりにも突然の別れに気持ちが整理できない。

それでも家族4人で火葬、収骨を無事終えました。

葬儀社の方から

「ここまでお骨が原型を保っているのは珍しいです。」

「尻尾の骨の星形は尻尾を沢山振った証しなんです。」

と。

もしかすると家族に対する慰めの言葉かもしれないが、

健康で愛し愛されていたと確認できたような思いで

涙が溢れました。

 

 

 

私自身は9月下旬から深夜勤務が続き疲労が蓄積し、

以前から定期的に顔を出す希死念慮

深く深く引きずり込まれるような感覚で

SNSも出来ない状態が続いている中での出来事でした。

 

10月2日夕方、睡眠不足で半ば朦朧とした頭で出勤の

支度最中にカミさんの悲鳴が。

コロンが目の前でトイレから出てきた途端

よろよろとよろけて倒れ痙攣、

駆け寄って様子を見ると目を見開いて舌が垂れ下がり

息をしていないとのこと。

私は気道を確保しながら心臓の辺りをマッサージし、

同時に声を掛け続ける。

その間にカミさんが近くのかかりつけの動物病院に

電話するも日曜日で休み。

受け入れ可能な動物病院を検索して車に乗せる。

カミさんが後部座席で心臓の辺りをマッサージ

しながら声を掛け続ける。

到着してすぐ医師に心臓マッサージを施してもらう。

夫婦で祈りながら待合室で待つ。

 

 

長い長い時間が過ぎ診療室に呼ばれて状況の説明を

受ける。

10分間心臓マッサージを続けたが反応が無く

血中酸素もゼロを指したまま。

血液が動いていないので残念ながら蘇生はないだろうと。

心臓マッサージを続けるか止めるかの選択を

と言われ苦渋の決断で止めることにしました。

 

医師に考えられる原因を尋ねたところ、

体型、毛並みから大きな病気はしてないだろうと。

猫は心臓が弱い動物なのでもしかすると

心臓に疾患があったのかもと。

体調が悪くなり検査して初めてわかるケースが多く、

症状が出てなければ予測は不可能ですと。

亡くなったばかりですが、苦しみが無かったのが

せめてもの救いだと思いますと。

 

目と口を閉じてもらってまるで寝ているかのよう。

撫でるとまだ温かい。

まだ温かい体を家で泣きながら待つ娘に撫でさせたい。

「コロン、うちに帰ろう」

 

 

 

11年前、知り合いから保護猫譲渡の話が

舞い込んできました。

私は学生の頃実家で犬も猫も飼ってたので別れの辛さから

最初は断りました。

しかしカミさんと当時9歳の娘がその猫を見に行き、

娘がどうしても飼いたいと。

私は「トイレの世話は誰がする?年取ったら?

病気したら誰が面倒見る?」といって首を横に。

9歳の娘が

「私が面倒見る。トイレも毎日きれいにする。」と。

確かに生き物を飼う、一緒に生活するという経験は

人生において計り知れない豊かさを与えると思う。

そこで一週間ほど娘の決意が変わらないのを確認して

我が家へ迎え入れることにしました。

 

我が家にやってきた初日。

ちち「名前はどうする?おまえがつけろ」

娘「え?何にしよう・・・思い浮かばん・・・例えば?」

ちち「う~ん、ショコラとか、マーブル、マカロン

はは「何でお菓子なん???」

ちち「コロンにエクレア、シュー・・・」

娘「それがいい!」

ちち「え?」

娘「コロンがいい!」

ちち「それは父さんが・・・」

娘「コロンで決まり!コロンちゃん!!」

ちち「まあ、お父さん提案、娘が決定ということで

名付け親は娘だな。」

はは「・・・」

 

生後半年ぐらいのコロンは我が家にすぐ馴染み、

娘とともに元気よく育っていきました。

勉強している時もいつも側で。

時には二人で部屋から部屋へ走り回り、

叱られて泣く時はいつも側に寄り添ってた。

夜は必ず一緒の布団。

多感な思春期を迎え成長する娘に変わらず

寄り添うコロン。

姉妹以上に仲がよかった。

いつも一緒にいるのが当たり前の日常だった。

 

 

 

病院から戻ったコロンを見るのが辛く

部屋で泣きじゃくる娘。

私は仕事に行かねばならなかったので娘に

「コロンの体が温かいうちに抱きしめておやり」

と声かけて家を出ました。

私自身も心の中では号泣でしたが、

仕事を休むわけにはいかず何とか心を平静に保ち

仕事に従事。

 

明け方前に帰宅するとカミさんと娘が起きて待ってました。

二人とも泣き腫らして目が真っ赤。

「コロンを一人にしたくなかったので

お父さんが帰ってくるまで待ってた。」と。

 

二人が寝室に入って寝たのを確認。

テレビをつけ録画していたF1を見ている風に。

別室で冷房を効かせ保冷剤を体に当てた状態のコロン。

穏やかな寝顔。

撫でると冷たい。

どっとあふれる涙。

声を押し殺す。

 

ありがとう

うちに来てくれてありがとう

あなたに何度も救われたよ

家族が崩壊しそうになった時も

あなたのおかげで家族は笑顔を取り戻せた

ありがとう

家族になってくれてありがとう

 

10月3日まで夜勤。

10月4日、葬儀、収骨か終わり、

コロンとの思い出を語る涙顔の娘に少しずつ笑顔が。

ひと区切りついて少しずつ前を向いて

歩いて行けるようになったかな。

コロンがいない日常に慣れるまでしばらくかかりそうだ。

私が家族を支えなければ。

希死念慮はコロンが持って行ってくれたようだ。

コロン、ありがとう

 

 

マンションのバルコニーまでしか外出れなかったね

天国で思う存分野原を駆け回って

そして気が向いたら我が家を覗きにおいで

あなたの好きなお姉ちゃんとお兄ちゃんを

見守ってね

 

ゆっくりおやすみ