車の点検で・・・
先日、愛車の定期点検にディーラーに行った時のお話です。
点検に1時間程かかるという事でしたので、
店内の雑誌を見ていると、
AI、いわゆる人工知能のおかげで車はこんなに変わる!みたいな、
記事を読みました。
衝突回避はもう導入され始めてますね。
車線変更、渋滞回避、乗車した人の状態を察知して室温等を自動でコントロール・・・
ロービームとハイビームもAIが判断して切り替え、ライトの点灯も消灯も。
そうなるとハンドルはもちろん、シフトレバー、ウィンカーレバー、
ワイパーレバーからミラーまで無くなるようです。
便利な世の中になるんですね。
雑誌を置いて展示車を覗いていると、
商談中?のご家族の娘さん、4歳ぐらいかな?
近寄ってきて「おじちゃん、一緒に乗ろう!」だって。
「お兄さんと呼びなさい!」と喉元まで出かかりましたが・・・
彼女が運転席で私は助手席に。
彼女は手をいっぱい広げてハンドルを握りブッブーって。
時折ウィンカーレバーやシフト操作をする彼女。
きっとお父さんがやってる動作を見て覚えたのでしょうね。
娘さん「次こっち乗ろう!」
私「おーけー!」
また同じようにひとしきり操作を楽しんで、
娘さん「次こっち!」
私「はいはい」
合計4台乗り継いだところで、
娘さんのご家族が商談終わったみたいで、
「〇〇ちゃん、帰るよ!」「すいません、車ゆっくり見れませんでしたね。」
私「いえいえ、楽しいドライブでしたよ。」
手を振ってお別れをしました。
ハンドルやレバー類が無くなった車に子供たちはどんな夢を見るのでしょうか?
画面にタッチして、いや音声で行き先を告げるだけで自動的に目的地に到着。
もしかすると、考えただけでAIが察知して・・・
私は小さい頃、4速ミッション車を操作する父の姿に畏敬の念を持って育ちました。
きっとあの娘さんもそうだと思います。
高校を卒業してすぐ、自動車学校へ。
厳しい教官の言葉に耐えて念願の免許所得。
ローンで買った中古のスカイラインを夢中で走らせました。
ワインディングロード(←峠とは敢えて言わず)でのハンドルさばき、
5速ミッションのシフト操作。
大きな車体を思うように操る高揚感。
この感覚は何物にも代えがたい。
操作ミスや確認不足による人為的ミスは時として大きな事故を招きます。
お年寄りや障害を持った方にとって、
人に頼らず目的地まで行けるということは大きなメリットだと思います。
人為的なミスでの事故を未然に防ぐことで、
自動車事故の死亡者を劇的に減らすことも可能かもしれません。
社会的な意義は大変大きなものなのかもしれません。
しかし、ハンドルの無い車に誰が魅力を感じるのでしょうか・・・
何十年後かにはあの娘さんみたいな姿は見れないのかも・・・
もしかすると車もネットで購入して修理も無人で工場まで持ち込み、
ロボットが修理して・・・
時にはイライラすることもあり、何で?って思うこともしばしばですが、
譲り合い、眩しいだろうからロービームに、と相手を思いやる心が
時として気持ちを晴れやかにします。
便利になればそれに依存してしまう。
20年前にスマホやタブレットPCなど考えもしなかったですよね。
今じゃ持ってるのが当たり前で身に着けとかないと外出も出来ない。
見当たらないと不安になってしまいます。
自動運転が当たり前になった世の中に運転する喜びはあるのでしょうか?
便利になればなるほどヒトは退化していくような気がしてならない。
そういう私が一番にAIの自動運転にお世話になったりして・・・