明日は終戦の日・・・

明日は終戦の日ですね。

終戦の日に合わせてあるものを作ってました。

明日の終戦の日は仕事なので前日の今日完成させました。

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三菱 零式艦上戦闘機五二型。

通称『ゼロ戦』。

第二次世界大戦(太平洋戦争)に活躍した日本海軍の主力戦闘機ですね。

なぜこれか?

私から見てある意味、日本を象徴するものと思えてしかたないのです。

 

戦前、軍部からの無謀とも思える要望を

設計技師である堀越二郎氏が形にしました。

宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』で詳しく描かれていますね。

長い航続距離、重武装で高速、空戦能力を最優先にしたため、

空気抵抗と徹底した軽量化を図りました。

日中戦争では敵なし、連戦連勝。ここで熟練パイロットが育成されました。

その後、真珠湾攻撃でも活躍。

アメリカ軍のグラマンF4Fワイルドキャット、カーチスP40ウォーホークを

まったく寄せ付けず。

しかし、ミッドウェー海戦での作戦ミスで空母の大半を失い、

多くの機体と熟練パイロットを失います。

アメリカ軍は不時着したゼロ戦を徹底的に研究しました。

そして「単独でゼロと闘ってはならない」、

「編隊を組み一撃離脱せよ」等、戦術が各部隊に通達されました。

南方の戦線でも無敵でした。

イギリス軍のスピットファイアもまったく寄せ付けず。

しかし、ガタルカナル島奪還作戦では片道1,000kmの飛行を余儀なくされます。

約3時間飛んで行き、10分ほど戦闘し、また3時間かけての帰投です。

上空ではいつ敵機が襲ってくるかわかりません。

常に警戒しながら6時間余の飛行。

航続距離が長いゼロ戦だからこそ出来た作戦ですが、

そこにはパイロットの疲労や燃料切れは考慮されていません。

そしてゼロ戦を研究したアメリカ軍はP-38ライトニングや、

F6FヘルキャットF4Uコルセアを登場させます。

ゼロ戦も改修をされていきますが、

資源に乏しく、また補給路も絶たれ苦しい戦いを余儀なくされ、

ここで多くの熟練パイロットを失います。

軽量化のために防御力を犠牲にしたことがここにきて仇となりました。

そしてマリアナ沖海戦。

サイパン島に上陸を開始したアメリカ軍を日本海軍の機動部隊が

迎え撃ちましたがここで残りの空母、戦闘機400機を失いました。

これで事実上、機動部隊は全滅。海上での戦闘は不可能となりました。

そして「神風(しんぷう)特別攻撃隊」。

いわゆる「カミカゼ特攻」。

ゼロ戦(主に)に二百五十キロ爆弾を搭載して敵艦に体当たりする。

十死零生の作戦。(作戦と呼べるのだろうか・・・)

あくまで志願者ということでしたが・・・

映画『永遠の0』に描かれてましたね。

 

現代では自爆テロと同じように言われることもありますが、

決して一緒ではありません。

特攻に行く方の家族に宛てた遺書。

そこには父母への感謝、先に旅立つことへの謝意。

そして澄み渡った心、晴れやかに飛び立ちますという言葉。

喜んで死にに行く=殉教と捉える方もいらっしゃいますが、

震える心を必死に抑えて、

読む家族の心境を慮って悲しませないように綴った文章。

 

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福岡県筑前町にある大刀洗平和記念館の零式艦上戦闘機三二型。

現存する三二型はこの一機のみです。

大刀洗飛行場は特攻に赴くパイロットの中継地としても使用されました。

特攻隊員の遺書も展示されています。

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この風防から年若きパイロットたちは何を見ていたのでしょうか・・・

戦後の日本に思いを寄せて、

生まれ変わることが出来れば一生懸命生きたいと願っていたと思います。

 

今の日本は彼らが夢見た姿でしょうか。

私も自身を振り返り、まだまだ頑張らなければと・・・

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先に作っていたアメリカ軍の『P47Dサンダーボルト』と。

 

日中戦争から終戦まで約5年。

後継機の開発の遅れで常に戦場の第一線で運用され続けたゼロ戦

華々しい初期から後半は悲運に満ちた生涯。

零式艦上戦闘機』と『戦艦 大和』は儚くも美しい。

意識しなくとも日本人の心にある何かを象徴しているように思えてなりません。

決して戦争を美化するつもりはありません。

もう二度と悲しい運命を背負った『ゼロ戦』を開発してはいけません。

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手のひらに乗るサイズの『ゼロ戦』を作りながら、

当時のパイロットの心中を考えていた72年目の終戦の日

もう二度と繰り返してはいけない。